2009年8月1日土曜日

流通システムの変化

パワーとは、特定の相手の行動を統制できる能力のことで、パワー関係は、そのような統制できる関係を意味する。統制とは、自分の意思に沿った特別な行動を他者にさせることである。そして、パワー関係は、依存度、リベート、販促用の物資などのパワー資源、競争制限によって作られる。1950年以降から、メーカーが小売業者に対してパワーを持っていた。典型例として、流通系列化による統制が挙げられる。

流通系列化とは、生産者が卸売業者や小売業者との間にパワー関係を形成して、垂直統合することなく、生産者直営の販売拠点のように販売やサービスにおける協力を確保することである。生産者は、商業を利用することで、ほとんど資本を固定することなく、状況に応じて取引関係を拡大、縮小できる。また、商業者は生産者から独立しており、それは、生産者にとって好ましくない状況が生まれる恐れがある。そこで生産者は商業者を自律的に統制するのである。

しかし、消費者行動の変化、小売業社が大規模化して生産者や卸売業者による販売依存度が大きくなることで、パワー関係が形成される。小売り業者による生産者や卸売業者の統制は、生産者や卸売業者から安く商品を仕入れるために使われるだけではなく、①生産者や卸売業者の緒活動を統制する製販統合あるいは、②生産者の商品開発や生産を統制するPB開発により、生産者と流通業者の間に長期的な関係を築き、消費者のニーズに応えようとする。

①製販統合
商品の生産や物流における一連の作業を企業間で連動させて、一気痛貫の生産、流通システムを形成することであり、それにより、生産や物流の効率化を目指すものである。また、これには、2種類の活動の調整が含まれている。1つは、生産者や卸売業者に迅速で多頻度小量の配送をさせるという物流面での調整である。こうすることで、小売業者は在庫を圧縮でき、費用やリスクを削減しながら効率的な品揃え形成を目指すことになる。2つめは、生産者や卸売業者の生産活動や在庫管理を連動させることである。そのため、小売業者はPOSデータや在庫データを生産者や卸売業者に提供してかれらの供給体制を整備させるのだ。そのデータをもとに、多頻度小量の生産計画の精度を引き上げることになる。

②PB
小売業者が生産者の開発した製品を仕入れて販売するだけじゃく、商品の開発に関与し、生産委託のような形で生産活動を指揮する場合があり、その典型がPBである。目的は、①利益確保のためのPB②品揃え差別化のためのPBがある。

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