2009年7月31日金曜日

流通9~PB開発の目的~

PB開発の目的

PBとは?

小売業者が生産者の開発した製品を仕入れて販売するだけじゃく、商品の開発に関与し、生産委託のような形で生産活動を指揮する場合があり、その典型がPBである。

なぜ手間をかけてまでPBを扱うのか?

NBによる小売業者間の価格競争の限界が考えられる。そして、そのことは、以下の問題解決行動としてのPB導入を促すことになる。

①利益確保のためのPB
NBの低価格販売では、企業間格差が小さくなるため販売額を伸ばすことは難しい。↓そこで、低価格販売と利益確保の同時達成が可能なPBを導入する。PBはマーケティング費用がかからず、NBの余剰生産能力を利用するため、その分低価格にできる。また、PBは競合する小売業者の取り扱いを排除できるので、低価格で仕入れ販売する効果を排他的に享受できる。

②品揃え差別化のためのPB
品揃えでの店舗差別化は、消費者の特別な店舗選好を形成することにより、店舗間の価格競争による影響を小さくし、対抗な低価格設定抑制する。

PB導入の条件

小売業者が生産者にPBを生産させることは、小売業者が自らの目的達成のために生産者を統制することである。生産者は、NBのシェアが奪われたり、低い仕入れ価格を要求されるため、小売業者と利害が対立している。そこで、パワー関係を統制してPBを生産させるために、もっとも重要なのが、取引依存度に基づくパワー関係である。これは、小売業者が大規模であるほど、生産者が下位の市場地位にあるほど、小売業者のパワーが大きくなる。しかも、たとえ市場地位が高いメーカーでも、PBを拒否する場合、別の生産者がPBを供給することになると自社製品が追いやられる危険性があることから断れないのである。しかし、NBに強いブランドロイヤルティが形成されている場合は、PBの販売を優先すれば、消費者にとって魅力のない店になる。
すなわち、ブランドロイヤルティが弱く、生産者間の市場シェアをめぐる競争や市場参入が激しい場合には、小売業者に有利なパワー関係が形成され、生産者はPBを生産供給する可能性が高くなる。


製販同盟に基づく商品開発

最近では製販統合をベースとする共同開発やPBが新しい展開として注目されている。
製販統合によって、小売販売データの蓄積から商品開発に活かすなど、効率性を高めることができる。したがって、このような商品開発のスタイルは、共同的なプロセスであること、小売り販売のデータベースに基づくものであるという二つの点が従来と異なる点である。つまり、安定的な企業間関係はPB開発を促すのだ。

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