2009年7月14日火曜日

流通2~小売商業の構造~

効率的な商品流通のために、どれだけの商業者が必要になるのか?

商品の種類による店舗数、店舗密度の違い

(例)加工食品は店舗数が多いが登山用品店は少ない。

国や地域によって店舗数、密度が違う

(例)日本はアメリカに比べて店舗数が多く、小規模である。


小売店舗数はどのように決まるのか??

消費者費用、生産者サービス費用、流通サービス費用を合計した流通費用がもっとも低くなるように決まる。

小売店舗数が多くなるほど生産者、商業者の流通サービス費用は増加する。それは以下の要因が働くためである。


1、店舗ごとに商品を仕分ける作業が複雑化するため費用が高くなる。

2、小売店舗に配送するための物流費用が高くなる。
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小売店舗数が少なく、大規模店舗が多い方が効率的で消費者も探索費用が節約されるかもしれない。しかし、消費者にとって店舗が減ることは不便である。いずれにせよ、消費者は、商品価格と消費者費用がもっとも低くなるような店舗を選ぶ。

つまり、商品の需給が一定なら、消費者の小売店舗選択には、以下の3つが影響する。

1、店舗数が増えるほど生産者、商業者が商品を仕分け配送する流通費用が高くなる。

2、店舗数が多くなるほど、消費者が店舗に出掛けて商品を持ち帰る消費者費用が低くなる。

3、店舗数が少なくなり、大規模化するほど、まとめ買い、探索する消費者費用は低くなる。

(P43図参照)


商品によって異なる消費者行動

最寄品・・消費者が商品の探索や購買について、できるだけ少ない努力で手に入れようとする種類。
探索努力→少ない、購買努力→少ない
(例)食料品、日用雑貨品、医薬品

買回品・・消費者が購買の努力を惜しまず、商品の価格、品質、デザインを慎重に比較する種類。
探索努力→多い、購買努力→多い
(例)服、電化製品、

専門品・・消費者が既にブランド選好を持っており、店頭でのブランド比較をしないような種類。
探索努力→少ない、購買努力→多い
(例)ブランド品

これらの類型は、店頭での商品の探索努力と店舗への往復にかける購買努力への平均的な傾向によって分類される。

このように考えると、消費者の選択する店舗、店舗数は以下の傾向を持つ。

1、最寄品は、多数の近隣にある小売店舗で販売されやすい。ただし、大規模店舗の販売シェアが大きくなるにつれて、店舗数は減少する。

2、買回品は、最寄品より少ない数の小売店舗で販売される。そして、地域における品揃えを形成するために、大規模店舗か、都市の中心部に密集して立地する店舗で販売される。

3、専門品は、最寄品、買回品より少ない店舗で販売される。また、ブランド選好のため、品揃えの深さは必要なく、商品の供給量が限られるため、同業種の店舗が数多く密集することは、買回り品ほど多くない。


なぜ日本の小売店密度が高いのか??

日本の小売が小規模多様性を持っている原因は、以下のように考えられる。

1、最寄品の買いものは、徒歩や自転車ででかけることが多い。

2、欧米に比べて生鮮食品が多く、まとめ買いしにくいため、こまめに買いものする。

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消費者行動の変化により、小規模多数な店舗は解消されつつある。
例えば、冷凍食品などの消費量増加、自動車の発達、単身者は、利便性を重視し、コンビニを重宝。

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